シンクから嫌な臭いが。原因は排水口にあるかもしれません

水のコラム

2021年10月22日キッチンのメンテナンス

排水口の汚れ

シンクから嫌な臭いが上がってくる原因としてまず挙げられるのが、排水口の汚れです。肉の脂肪や調理油等が固まり発生するぬめりは、排水口や排水管内で洗剤カスや食材カスを吸着させ、強固なぬめりとなります。強固なぬめりはカビや雑菌の繁殖を促し、悪臭を発生させてしまいます。

また、ぬめりは排水口の詰まりの原因です。詰まりによって食材カスや油が堆積していき、ヘドロ化したカスはより強い臭いを発します。この臭いは害虫を寄せ付けてしまい二次被害にもつながってしまいます。水漏れの恐れもあるため、被害を拡大させる前に対処しなければなりません。

排水口の掃除の方法

排水口の汚れを落とすために効果的なものとして挙げられるのが、重曹とクエン酸です。どちらも100円均一ショップで手軽に購入できます。クエン酸の代わりに酢を使っても効果的です。

まずは、重曹を排水口のゴミ受けの底が見えなくなる程度振りかけてください。量が少ないと十分な洗浄効果が期待できません。次に、重曹の上からクエン酸をかけます。目安としては重曹2に対してクエン酸1の割合です。重曹に対して満遍なく振りかけましょう。

クエン酸をかけしばらくすると、泡が発生してきます。この泡の正体はアルカリ性の炭酸性ガスで、これが汚れを浮き上がらせてくれます。泡が発生した状態で30分から1時間放置しましょう。最後に40℃ほどのお湯を満遍なくかけたら、排水口と排水管の汚れを除去できます。洗剤は全く使わない方法なので、小さいお子さんがいるご家庭でも安心して掃除できます。

より確実に除去したい時は、市販の洗浄剤を使いましょう。除菌効果のある塩素系漂白剤を使うことで、カビや雑菌の発生を抑える効果も得られます。ただし、塩素系漂白剤を使用する際は、他の漂白剤や洗剤と一緒に使用しないでください。人体に有毒なガスを発生させてしまう恐れがあります。

排水トラップの問題

排水口には排水トラップと呼ばれる、下水管から上がってくる悪臭や害虫を防ぐための仕組みがあります。これはワントラップという部品と封水と呼ばれる水を利用しているのですが、この封水が切れると悪臭を防ぐ機能がなくなってしまいます。水を排水口に流し入れるだけで封水は再度溜まるため、もしも悪臭がする場合はまず水を流してみましょう。

また、ワントラップにもぬめりや汚れが溜まります。簡単に外せるので、洗剤を使い定期的に掃除しましょう。

排水ホースの劣化

排水口を洗浄しても臭いが取れない場合、原因は排水口よりも下の部分にあるかもしれません。排水ホースの劣化も悪臭発生原因の1つです。排水ホースには防臭ゴムが付いており、これが劣化していると下水のような臭いが上がってきてしまいます。

また、排水ホース自体にひび割れや穴が開いていると、そこからも悪臭が漏れ出てしまいます。どちらの問題も部品の交換が必要です。部品はホームセンターなどで販売しているため自力での交換は可能です。しかし、規格にあったものを選ばなければならないため、もしも不安であるならば専門業者に依頼しましょう。

その他の詰まり

排水マスにも油汚れやぬめりが付着しますが、排水マスは自力での掃除が難しい場所です。トーラーと呼ばれる専門的な機械が必要になってきます。もしも排水マスで詰まりが発生している時は、速やかに専門業者に掃除を依頼しましょう。

自分でできる掃除をしても臭いが取れない、悪臭の原因がわからない場合は、専門業者に相談しましょう。排水管内で蓄積された汚れは簡単に落ちるものではなく、パイプユニッシュなど強力な洗剤を使っても落ちないことがあります。そんな時は、高圧洗浄機を使い排水管内を徹底的に洗浄します。費用は掛かってしまうのですが、定期的な高圧洗浄は悪臭予防にもなるためおすすめです。

集合住宅での悪臭

集合住宅では受水槽型の給水設備が採用されていることがあります。これは受水槽に水を溜めてから、各部屋に給水するシステムです。この受水槽の管理が不十分だと、カビやサビが原因で水道水自体に臭いがついてしまう可能性があります。衛生面でも問題があります。もしも水道水から臭いがしたら、管理者もしくは管理会社に連絡しましょう。

受水槽型ではない集合住宅で水道水から臭いが付く時は、給水管や配管に問題が発生しているかもしれません。老朽化した配管内のサビが流れ出ている恐れがあります。健康被害を及ぼす可能性もあるため、早急に対応しなければなりません。管理会社に連絡して対応を相談してください。