水のコラム
台所にある排水口にトラップがあると流れない?
台所の排水トラップは水の通り道になる配管が曲がりくねった構造になっています。この曲がっている部分は一定量の水が溜まるようになっていて、下から上がってくる下水の悪臭や硫化水素(ガス)、害虫をせき止める役目をしています。
この部分にシンクから調理したときに出る食品カスや洗い物に付いた油などが流れ落ち、溜まると水が流れなくなってしまいます。この食品カスなどを少しでも流れださないようにセーブする工夫をして、水の流れをスムーズに保ちましょう。
本記事では、排水口トラップの流れが悪くなる原因と対処法・予防法を詳しく解説します。
排水口のトラップの流れが悪くなる原因
台所の水の流れが悪くなった時、排水トラップが詰まっている可能性があります。それは、排水トラップの曲がりくねった構造に原因があります。
排水トラップは上からフタ・菊割れフタ・ゴミかご・ワントラップ・封水・排水ホースから成り立っています。さらに排水口の下にはS字トラップがあります。
排水トラップのタイプはワントラップ・S字トラップ・Pトラップの3種類ありますが、どれも一定量の水が溜まる場所があり、詰まりの原因もその部分と考えられます。
食べカスや調理中に出た野菜くず、油などをゴミかごでキャッチして排水口には流れないようになっている仕組みですが、細かい食べカスなどすべてをキャッチすることは難しいです。
どうしても流れだしたゴミや汚れが積もり積もって排水トラップやS字トラップが詰まってしまうことがあります。
排水口に物が流れない原因のトラップとは
排水トラップの流れが悪くなる原因として考えられるのは、毎日の料理に出る食材のクズやカスなどの小さなゴミが排水口に流れ出てしまったものです。それらが排水トラップや排水口の奥に溜まって、水の流れを遮ります。
調理に使う油や食材に含まれている脂分が調理中や洗い物をしているときに、一緒に排水口に流れてしまいます。油は水に溶けづらく、粘り気があるため排水口や配水管の中で固まってしまい、水の流れを悪くしてしまいます。
油の付いた食器や鍋類は洗う前にキッチンペーパーなどでふき取り、油を排水口に流さないようにしましょう。溶けきらなかった洗剤や石鹸も排水管にこびりつき、水の流れを悪くしてしまいます。洗剤や石鹸は使用する量は正しく適量を使いましょう。
排水口のトラップが原因で流れないときの対処方法
排水口のトラップが原因で水が流れないときの対処法は、原因箇所を掃除します。箇所別に説明します。
・ワン付き排水口
・S字トラップ(浅型トラップ)
・排水管
まず、「ワン付き排水口」の掃除方法は排水トラップに溜まっているゴミや汚れを取り除き、ゴミ受けやワン付きストレーナーなどを塩素系漂白剤に付けて除菌します。汚れに応じて30分程置きます。ヌメリが無くなるまで水で洗い流しましょう。
最後に、取り外した部品を元通りに設置します。フタやゴミ受け網にゴミが付着している場合は、この対処法で水の流れが良くなります。
「S字トラップ(浅型トラップ)」は、台所下にあるトラップです。S字以外でもいくつかの種類があります。どのタイプも工具を使って外すと簡単に取り外すことができ、掃除できます。作業をする前に使用するものをあらかじめ準備するとスムーズに終わります。
シンクの下に引くもの(新聞紙、ビニールシートなど)とバケツ、ブラシと使い古し歯ブラシ、台所用中性洗剤とスポンジなどを用意しましょう。掃除方法は次の通りです。
1. 排水口のまわりのゴミや汚れを、台所中性洗剤とスポンジ、歯ブラシを使って取り除く。
2. シンクの下のものを移動させ、敷物をひく。
3. トラップの下にバケツを置く。
4. シンク側と配管側の2か所にあるナットを外して水を出す。
5. パイプ内の汚れをブラシで掃除する。
6. ナットを締めて元に戻す。
7. 水を流してみて水漏れや詰まりが解消したかを確認して完了。
「排水管」は、掃除しても水の流れが悪い場合に市販のパイプ洗浄剤を使います。パイプ洗浄剤での掃除方法は次の通りです。
1. 排水口のゴミ受けやトラップのフタを外す。
2. パイプ洗浄剤を流し込み数分放置する。
3. 大量の水を流して完了。
つまりが頑固な場合は、普段の掃除よりも強力な洗浄力の洗剤やパイプ専用のブラシを使います。排水口の詰まり解消には、パイプ専用の液体洗剤「パイプユニッシュ」がおすすめです。
パイプユニッシュにはボトルに目盛りが付いていて、汚れの度合いに応じて使用料調節できますボトルから直接排水口に流し込めるので便利な洗剤です。
「サニポン泡パワー」は泡が排水パイプにとどまり、泡の力で油汚れをしっかりと落としてくれる洗浄効果の高い洗剤です。
「真空式パイプクリーナー」は排水管の中の空気を吸引して、詰まりを取り除きます。
また、排水口の詰まりをスッキリさせるパイプの中のものを突き出す「パイプ用ブラシ」もあります。
台所シンクの中にディスポーザーがある場合は、存分に活用しましょう。ディスポーザーは食べカスを粉砕して、水と共に排水口に流してくれる仕組みの家電製品です。便利な反面、詰まりやすく故障もあるのがデメリットです。
ディスポーザーが動かない場合は配管内で油が固まって詰まったり、生ごみが固くて粉砕されなかったり、生ごみの量に対して水量不足であったり、過熱保護装置の誤作動があることが考えられます。
油が固まっている場合はパイプクリーナーで掃除をし、生ごみが粉砕されていない場合はゴミを取り除き、水量が少ない場合は水を流して粉砕し、過熱保護装置の誤作動の場合は電源を入れ直しましょう。
これらを試しても水が流れない場合は、配管内の詰まりを考えましょう。軽度の詰まりの場合は、ラバーカップを使うと便利です。
しかし耐用期間を超えたディスポーザーには、ラバーカップでの対処法はおすすめできません。ディスポーザーの耐用年数は7~8年と言われています。耐用年数が越えたディスポーザーで水が流れなくなってしまった場合は、業者に修繕を依頼した方が無難です。
排水口のトラップが原因で流れなくなる前の予防法
排水口のトラップが原因で流れなくなる前の予防法は、定期的排水トラップや排水口の掃除をすることです。排水トラップの流れが悪くなる原因の一つに「ぬめり」があります。
雑菌が食材や洗剤のカスなどを栄養として繁殖すると、ぬめりが発生します。雑菌が増える前に菌を溶かしてしまうとぬめりを予防できます。
排水トラップや排水口の掃除には、重曹と酢を使うのがおすすめです。まず、排水トラップに重曹1カップと酢2カップをかけて、1時間ほど放置します。その後60℃程度のお湯を流しましょう。
その他、簡単に予防できるのは市販の「液体パイプクリーナー」を使う方法です。排水トラップを外して、直接液体パイプクリーナーを排水パイプに流し込むだけです。
水の流れが悪くなったまま、排水口を放置することは水の流れをより悪化させます。また自分で対処法を試みても改善しない場合や、改善してもまたすぐ流れが悪くなる場合は、原因となるものが他にある可能性があります。専門業者に見てもらいましょう。
専門業者はプロ仕様の高圧洗浄機とローポンプやトーラーなどを使って、ひどい詰まりにも対応してくれます。費用はかかりますが専門知識をもって短時間で解決してくれるのでおすすめです。
まとめ
シンクの水が頻繁に詰まったり、水の流れが悪くなったりする場合はシンクの使い方を見直すことをおすすめします。
排水口のゴミ受けにネットをつけてゴミが流れるのを極力少なくする、食器類や鍋に付いた油をキッチンペーパーなどでふき取って排水口に流さないようにしましょう。油は時間が経つと固まってしまい、掃除が大変になります。
シンクに定期的に液体パイプクリーナーを流して、詰まっているものを溶かして水の流れを妨げないようにするのも大切です。日頃のシンクの使い方次第で詰まりは回避できます。それでも詰まりが発生し、自力で解消できないと判断したら専門業者に依頼しましょう。