水のコラム
お湯出しっぱなしでガス止まる?水しか出ない時の復帰方法とガス代解説
お湯を出しっぱなしにしてしまうとガス給湯器が止まります。うっかり忘れてしまった、気づいたら何時間もお湯を出しっぱなしにしてしまった、そんな経験をした方は意外に多いです。
今まさにお湯を出しっぱなしにしてしまってお困りの方は、慌てず対処方法を確認しましょう。また、そのような緊急時に備えて、水しか出ない時の給湯器の復帰方法について解説します。気になるガス代についても触れるのでぜひ参考にしてみてください。
お湯出しっぱなしにしたらどうなる?
長時間、お湯を出しっぱなしにした場合にはガスメーターが作動して自動停止します。その結果、ガスは提供されないので、水のみが流れ続けることになります。
また、お湯が出ない原因は他にもあります。すぐにガスメーターと決めつけず、他の原因もチェックすることが大切です。ガスメーターの安全装置が作動する仕組みと、ガスの停止以外の故障かを調べる方法を解説します。
ガスの安全装置が作動する
長時間ガスを使用し続けると、ガスメーターの安全装置が作動してガスがストップします。一般的な家庭で、ガスが止まる目安は30~60分です。ガスメーターを見ると、表示ランプが赤く点滅して警告表示されている状態となります。
長時間のガスの使用はお湯の出しっ放しだけでなく、お湯の沸かしすぎやコンロの閉め忘れでも停止します。コンロの場合は、約2~4時間とお湯の出しっぱなしより長いです。火事の危険があるので、コンロの閉め忘れはより注意が必要です。
どの蛇口もお湯だけが出なくなる
お湯を出しっぱなしにした場合は、どの蛇口からもお湯が出なくなります。他の蛇口からはお湯が出る、もしくはお湯も水も出ない場合は、蛇口や水道に問題がある可能性が高いです。もし、長時間お湯を出しっぱなしにしていないのであれば、ガスの使い過ぎによる自動停止が原因ではありません。
1か所の蛇口や水道だけお湯が出ない場合は、止水栓が閉まっていないか確認してください。止水栓が閉まっているとお湯は出ません。止水栓に問題がなければ、水栓の故障が考えられます。水栓の取り替えを検討しましょう。
また、お湯も水も出ない場合は、断水や凍結のことも考えられます。温めたり無理に出そうしたりせず、断水や凍結が起こっていないかまず確認してください。
ガス給湯器の異常
お湯を出しっぱなしにした際は、ガスメーターが停止していることがほとんどです。一方で、お湯が出ない場合の原因は、ガス給湯器のこともあります。ガスは、ガスボンベ、ガスメーター、ガス給湯器の順に通ってくるので、ガス給湯器にも故障がないか調べてみましょう。
ガス給湯器の水抜き栓が詰まっている、給湯器の電源が切れている、設定温度が低くなっている、などが、ガス給湯器によるお湯が出ない原因です。
水抜き栓の詰まりには、水抜き栓先端のストレーナーの掃除が必要です。取扱説明書に従いお手入れしてください。コントローラーにエラーメッセージが表示されている場合は、マニュアルを確認し操作します。表示が消えない場合は、ガス会社に連絡してください。
ガスメーターの設置場所
ガスメーターはそれぞれ建物の形態で変わります。特に、アパートなどの場合はそれぞれの建物の構造で変わってきます。緊急時に備え、どこにあるか把握しておきましょう。
一戸建ての場合
戸建ての場合、家の周囲にガスメーターがあり、点検員が作業しやすい場所に設置されていることがほとんどです。そのため、屋外の、玄関・浴室付近の壁際など目立つ場所が多いです。
マンションやアパートの場合
マンションやアパートでは、玄関脇や共用廊下のメーターボックスの扉の中に設置されています。アパートの場合は、建物の外にいくつか並んで設置されていることもあります。
ガスメーターの復帰手順
お湯の長時間使用による自動的なガス遮断の場合、ガスメーターの復帰作業を行います。
復帰手順はガスメーターにより異なるので、かならず取扱説明書に沿って行ってください。ここでは一般的な操作方法を紹介します。
ガス臭い時は連絡する
ガス臭い場合は、ライターやマッチなどの火気は禁物です。電灯や換気扇のスイッチも触ってはいけません。
ガス漏れの恐れがあるので、すぐにガス会社に連絡しましょう。
ガス臭くなければ、復帰作業に取り掛かります。
すべてのガス機器を止める
屋外にあるガス機器もすべて止めます。使っていないガス栓も閉まっていることを確認しましょう。
復帰ボタンのキャップを外す
メーターガス栓は開いたままキャップを回して外します。
復帰ボタンをしっかり奥まで押し込む
ボタンを押し込み2秒待ち、赤いランプが点灯したらゆっくり手を離します。
この時、赤いランプが点灯した後、また点滅が始まります。機器によっては、ランプが点かないこともあります。
ガスを使用せず3分待つ
3分後、ランプの点滅が消えたら、ガスが使えます。キャップを元に戻してください。
表示が変わらない場合は、もう一度最初から行います。それでも変わらない場合はガス会社に連絡しましょう。
お湯を出しっぱなしにした時のガス代と水道代は?
お湯を出しっぱなしにした際の復帰方法は難しくありません。ただ、気になるのは使い続けたガス代と水道代です。地域や利用するガス会社で料金設定は変わりますが、ここでは、それぞれの目安の金額を紹介します。
お湯を出すときのガス代は1分ごとに約4.5~6円
お湯を出した場合の1分ごとにかかる平均的なガス代は、約4.5~6円です。60分使い続けたとして、ガス代は360円という計算になります。ただ、それ以上出し続けた場合ガスメーターが自動停止するので、ガス代は加算されません。
出し続けた水道代は使った分だけ加算される
こちらも自治体により多少の変動がありますが、1分間の使用量はおよそ10L、水道料金に換算すると約2円です。 1時間出しっ放しだった場合は、単純計算で120円程度、その月の水道代に加算されることになります。
必ずしもガス代がかからないと言えない
ガスは1時間程度使い続けると自動停止しますが、中には10時間以上お湯を出しっぱなしにしていても、お湯状態だったという事例があります。他にも、設定温度でもガス代は変動します。
もし24時間お湯を出しっぱなしにしていて、ガスが止まることを考慮しない場合、単純計算でガス代は6円×60分×24時間=8,640円、水道代は、2円×60分×24時間=2,880円、合計金額は11,520円にもなります。半日でも5,000円程度かかる計算になります。
ガスメーターが発動しガス代が1時間分であった場合は、24時間分の水道代と1時間分のガス代になるので、3,240円という計算になります。
お湯の出しっぱなしに注意
24時間もお湯を出しっぱなしにすることは考えにくいですが、そのくらいの料金が1日でかかってしまいます。水道の使い過ぎは環境にも悪いですし、ガス代はかなりの負担になります。ガスメーターの安全装置が作動するからとは安心できません。
お湯の出しっぱなしは「ついうっかり」のことが多く、ほとんどの方が出そうとして出しているわけではありません。ただ、気づいたら閉めるのが弱く、チョロチョロ出続けていた、ということも少なくありません。日頃から、蛇口はしっかり閉める、水道やシャワーを使った後はお湯が出ていないか再確認する、など意識しておきましょう。
まとめ
お湯を出しっぱなしにした場合、1時間ほどでガスメーターの安全装置が作動し、ガスは自動停止します。その際は、ガス漏れがないか安全を確認してからガスメーターの復帰作業を行いましょう。ガスメーターの復帰作業は5分程度で終わる簡単なものです。
一方で、使った分のガス代や水道代も気になる点です。基本的にガスは1時間で止まり、請求されるガス代は1時間分になると考えます。ところが、長時間出しっぱなしの状態でお湯だった事例もあります。ガスメーターの自動停止があるから安心だと思わず、気づいた時点ですぐに対処しましょう。
意図的にお湯を出しっぱなしにする方はいませんが、日頃から、お湯を使った後はしっかり止まっているか意識することが大切です。