水のコラム

トイレタンクの仕組みを押さえて急なトラブルに備えよう

2022年11月30日  トイレ


日常的に使い、またなくてはならない存在のトイレ。必ず使う場所だからこそ、急なトラブルに見舞われると、大きな不安を抱えてしまうものです。この記事ではタンク式トイレの仕組みについて解説します。急なトラブルに見舞われても冷静に対応できるよう、各部品の名称や役割、どのような状況によってトラブルにつながってしまうのかを把握しておきましょう。

トイレタンクの仕組み

タンク式のトイレには水を正常に給水・排水するためにいくつかの部品が取り付けられています。ここではタンク式トイレに取り付けられている部品と水回りだからこそ取り付けられている止水栓について解説します。

止水栓
各ご家庭にはいくつかの水回りがあります。キッチンやお風呂場、洗面所などの水回りには、必ず止水栓が取り付けられています。トイレにも止水栓が取り付けられており、出続ける水を止める際は、この止水栓を閉めることでトラブルを最小限に抑えることが可能です。止水栓は壁の内部に取り付けられている給水管からタンク内へと水を送る役割があります。マイナスドライバーなどで開閉できるため、水の異常が見られた場合はマイナスドライバーを用意しておくとスムーズに対処できます。

ボールタップ
タンク式トイレの内部に取り付けられた部品には「ボールタップ」と呼ばれる部品があります。ボールタップはタンクの外に取り付けられた給水管とつながっていて、先端には浮き玉が付いた支持棒が取り付けられているのが特徴です。排水によってタンク内の水位が下がると、ボールタップに取り付けられた浮き玉が下がります。浮き玉が下がるとボールタップの弁が開き、タンク内に給水し、水位が元の位置に戻ったことを浮き玉の位置で把握したら、ボールタップの弁も閉じ、給水が終わるといった仕組みです。

フロートバルブ・チェーン
レバー先に取り付けられたチェーンとゴムでできたフロートバルブは、主にレバーを引いた場合に開き、水を流し、給水が定量になると排水口を塞ぐ役割があります。ゴム製が一般的であるものの、プラスチックでできたタイプも増加しています。

レバー
使用後に水を流す部品です。レバーの先にはタンク内にフロートバルブを稼働させるためのチェーンが取り付けられています。

オーバーフロー管
タンク内にある筒状の管で、根元にはフロートバルブが取り付けられています。先端には「WL」と記載されていて、目視でも標準水位が確認できる仕組みになっています。一般的な水位としては、オーバーフロー管から2cm~3cmほど下です。タンク内の水がなんらかの理由によってあふれそうな場合は、このオーバーフロー管の内部を通じて排水するといった役割もあります。

浮き玉
ボールタップの支持棒の先端部に付いているのが浮き玉です。水位の変化にともなって上下する仕組みです。浮き玉の動きは支持棒からボールタップに伝わる仕組みで、ボールタップに取り付けられた弁の開閉に重要な役割があります。

手洗い管
給水すると水が流れる場所です。手を洗う場所としても利用されるほか、給水の仕組みを利用して洗浄剤などをタンク内・便器内へと取り入れる役割もあります。

浮きゴム
タンクの底に取り付けられているゴムです。レバーと連動して動く仕組みで、ゴムが開くと排水され、閉じるとタンクに給水する仕組みです。さまざまな形状をしているため、交換をする際は同様の形状の物を用意する必要があります。

支持棒
浮き玉の動きをボールタップに伝導する役割があります。水位の調整が正常に機能しない場合、この支持棒の角度を調節することで改善する場合があります。非常に壊れやすいので、タンク内の清掃を行う場合は細心の注意を払いながら行ってください。

トイレに水が流れるのはなぜ?その仕組みとは

日常的に使うトイレには、各部品が取り付けられ、それぞれがそれぞれの役割を果たしているからこそ正常に機能していると考えられます。レバーを引くとフロートバルブが持ち上がり、タンク内に貯水された水が便器に流れます。その後、タンクの水位が下がるため、ボールタップ先端部分に取り付けられた浮き玉が沈み、弁が開きます。給水によって水位が上がれば、浮き玉の位置が戻り、弁が閉じる仕組みです。このように、複数の部品が正常に機能していることから、毎日快適にトイレが使えると考えられます。
トイレの給水や排水、水漏れなどのトラブルが見られた場合は、トイレ内部に取り付けられた部品を確認することが大切です。

トイレタンクのトラブルに!トラブル別対処法

快適に使えていたトイレから異常が見られた場合、どのように対処すればよいかわからない方も多いのではないでしょうか。トイレには複数の部品が取り付けられ、経年劣化や災害、普段の清掃時などによって破損・故障につながる可能性も少なくありません。ここではトイレタンクで見られるトラブルとその対処法について解説します。

水の流れが止まらない
トイレの水が流れ続け、止まらないといったトラブルが生じたときは、以下の部品をチェックしましょう。

 チェーン
 浮き玉
 フロートバルブ

これらの部品に絡まりや破損・故障・ゴミが溜まっているなどの症状が見られた場合は、元の形に戻してあげたりゴミを取り除いたり、または新しい物へと交換することが望ましいです。自分での交換に不安がある場合は、最寄りの水道業者にトイレの異常を相談し、点検や修理を依頼するとよいでしょう。また、水道業者に依頼をしても、すぐに点検に来てくれるわけではありません。その場合はトイレに取り付けられた止水栓を閉めることで、水を止めることが可能です。水が出続けているけれど外出しなければならないなどの理由がある場合は、あらかじめ止水栓を閉めておくとよいでしょう。

タンクの水位調整を行う
タンク内の水が通常よりも少ない(多い)場合は、水位調整することが可能です。この場合はボールタップの根元に水位を調整するためのリングが取り付けられているため、リングを回転させれば調節可能です。なお、リングが取り付けられていないタイプであれば、浮き玉の取り付けられた支持棒の角度を調整することで改善できます。

排水されない
便器に排水されない場合は、チェーンとレバーを確認しましょう。チェーンが絡まっていたり、レバーから外れていたりする場合は、排水されません。ほかにも、フロートバルブ・ボールタップに細かなゴミが溜まっていると、正常に機能しない場合もあります。便器に排水されない場合はチェーン・レバー・フロートバルブ・ボールタップを確認してください。なお、トイレの点検やご家族が何らかの理由によって止水栓を閉めている場合もあります。止水栓が閉じていないかも確認すると漏れなく対処できるでしょう。

タンク内に水が溜まりにくい
ボールタップにフィルターが取り付けられているタイプの場合、フィルターが目詰まりを起こしていたり、劣化していたりする理由から給水されにくいことがあります。フィルターが取り付けられているのであれば、目詰まりが起きていないか、劣化して破損・故障していないかを確認してください。

レバーが動かない・動かしにくい
トイレの使用後、レバーが動かなかったり動かしにくかったりする場合もあるでしょう。そのときに考えられる原因としては、レバーの継ぎ目部分に細かなゴミが溜まっていて、正常に動かない可能性があります。トイレは細かなゴミやホコリが溜まりやすい空間です。日常的に清掃を行う場合は、レバーの継ぎ目なども合わせて確認・清潔に保つことが望ましいでしょう。

まとめ

トイレタンクの仕組みを把握しておけば、急なトラブルに見舞われても冷静に対処できます。毎日使う場所だからこそ、部品や役割など、最低限の知識を押さえておくことが大切です。トイレタンクには複数の部品が取り付けられ、それぞれが正常に機能してはじめて給水・・排水されます。トイレの異常に気付いた場合は、トイレタンク内部に取り付けられた部品の確認・交換を行いましょう。なお、自分での交換に不安がある場合は、最寄りの水道業者に頼るのも方法の一つです。その際はトイレの異常を説明し、考えられる原因を把握しやすくすることで、スムーズな解決につながるでしょう。

かがわ水道職人 0120-492-315

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